防災機器「感震ブレーカー」の普及
近年、防災機器「感震ブレーカー」に対する関心が高まっています。
阪神淡路大震災の時に起きた火事の半数以上は、通電火災でした。
通電火災とは、大地震が起きた際に、電力会社が一旦電気を止め停電にしますが、しばらくしたあと、電気を流し始めます。
その際に火災が起こることです。
大地震の際に、家電用品にスイッチを入れたまま避難していたり、地震で家具が倒れ電線がその下敷きになっているところに通電され火災が起こるのです。
ブレーカを落としてから避難すればよいのですが、大地震の際にはその余裕がありませんので、自動的に作動する防災機器が必要なのです。
地震当日の火災よりも多数の火災が、地震の数日後に発生しています。
防災に対する知識は年々高まっていますが、通電火災に対する防災知識の啓蒙は始まったばかりなのです。
阪神大震災の時には、住宅での一軒の火災は、密集する近くの家に燃え移り、消防署が対応できないほど地域全体の大規模火災になりました。
そのような火災を二度と繰り返すことがないように開発された防災機器が、感震ブレーカーなのです。
防災機器「感震ブレーカー」の仕組みは、大地震が起きた際に、自動的にブレーカーの電気を切り、電力会社からの通電が始まっても、人がその防災機器のスイッチを入れなければ電気が流れないようになっています。
それにより通電火災が起こらなくなり防災になるのです。
政府は、日本国家の防災計画の中で全国の自治体に対して感震ブレーカーの普及を進めるように勧告しており、横浜市など数カ所の自治体では、感震ブレーカーを設置する家庭に対しての防災機器に対する補助金制度をスタートしています。
しかし、政府は、全世帯に対し25%の普及を目指しておりますが、普及のスピードは、まだまだな状況のです。
今でも防災機器「感震ブレーカー」という名前を知っている人は、ごく僅かです。
感震ブレーカーを普及させようとする自治体は、個々の住宅にむけて啓蒙と設置推進をすすめる一方で、町内会、マンション組合への啓蒙と設置推進を計画しています。
通電火災は、個々の家でいくら設置をしても隣の家が火災になり移ってきたとしたら何も役に立たないからです。
マンション全体、街全体、全ての家庭で設置されてはじめて効果がある防災機器なのです。
今後は、政府、自治体のほかに電力会社、保険会社など通電火災に深く関連する企業や団体が連携し、今より大規模に通電火災の予防に取り組むべきなのです。
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